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天神祭の夜に

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リンナちゃんが亡くなって、早、一年が経とうとしている。

亡くなる1、2ヶ月前から急激にやせ細り、残された時間がごく僅かなことを肌で感じるようになって、
私には、一日、一日が、恐怖のカンウントダウンのようになってしまった。

恐怖そのものより、それがじわじわ迫って来る感覚が、一番恐ろしい。

何事もそうだけど、恐怖自体の中に入ってしまえば、恐れは感じない。

喜び、哀しみ、恐れ、感情の真ん中は、どの状態も同じで、とても静か。

そこは、自分の思考が停止する場所であり、「奇跡」は、その場所にいる時しか起らない。

一年前、情けないことに、恐れの感情が日に日に大きくなって、オーバーヒート、
ついには、すべての機能がストップしてしまった。

恐れは、外にあるものじゃなく、自分の内にしか存在しないけれど、
その恐れは、まだこの内にあるのかな、それは、姿、形を変えて、別のものにすり替わる日がまた、来るのかな、
何事にも左右されない自分になりたいーそう願うばかりだけど・・

リンナという猫は、本当におりこうさんの子でした。
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本当におとなしくて、年に一回も鳴かないくらい、猫なのに爪を立てたこともなく、
食事も、毎日、決まったものを一定の量だけ食べるし
極めてマイペース、媚びず、甘えることも滅多になく、いわゆる典型的な猫の中の猫型。

人間は、「私」しかダメな子だったので、来客中は、ずっと押し入れの中、
だから、本当に猫がいるのかと、よく怪しまれたんだけど・・

我娘でさえ、リンナに触れることを許してもらえたのは生まれてから7、8年後のことなんです(汗)

時には、私でさえ、リンナは、私のことどう思っているんだろう、って少々物足りなく、思ったりもして、、

そんな日々を過ごしていたある日、リンナが4才の夏ー大事件が起きた。

それは、天神祭の日の夜、花火の音にびっくりして(嬉しがって、廊下に連れ出した私が100%悪い)
一瞬でパニックになり、4階から落ちた。(落ちたというよりは、自分から飛び降りてしまった感じ・・)

あの落ちる瞬間の、悪夢の一コマ、1コマは、今もスローモーションで脳裏に焼き付いている。

マンション中に響き渡る私の悲鳴、とっさに、下を見ると、リンナがクルクルクルと回転しながら、落ちていくー。

ああ〜ぶつかる〜!!と思った瞬間、自転車置き場の屋根にドーーーン!という大音響と共にリバウンドした。が・・
その勢いで再び、コンクリートの地面に転がり落ち、その足で一直線に走り去って、一瞬で、
私の視界から消えた。

た、助かった・・とにかく、助かった!!グシャッとならずに済んだ。と安堵するもつかの間、

早く後を追わなきゃ、と急いで駆け下りて辺りを捜すも・・その後、4日間、行方不明。

あの4日間、朝、昼、晩、夜中、一睡もせず、懸命に捜したけど、本当にどこにいたんだろう・・(今も謎のままです)
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落ちて、2、3時間後、気が動転していた私は、黒い野良猫をリンナと勘違いしてしまい、
捕まえようとするも、逃げる(野良猫さんだから当たり前)と血迷って、110番に電話し、叱られる(笑)

その点、119番の人は親切だったナ(笑)
「どこかにはさまっていたり、木から降りれなくなったりした場合は、出動します。が、
飼い主さんが、捕まえられないとなると、、こちらとしても・・」とやんわり断られるも、明け方には、猫違いだったと判明。

それにしても、あれほど、自分を責めたことはなかった。私のせいで・・リンナが・・

しかし悔んでる場合ではない、とにかく、一刻も早く見つけ出さなくては。。

「猫が行方不明」の写真入りチラシを作って、何百枚もコピーし、一軒づつチラシを入れていく。電信柱に張る。
周りは、平屋の一軒家が密集しているし、当時、工事もしていたので、隠れるところは無限にあるように思えた。

ひとりで捜すよりも、と思い立って、かつてテレビで見たことがある「猫探偵人」なるものを東京から呼び寄せた。
(ちなみに、その捜索費用の他、探偵さんの交通費、宿泊代、お昼代などなどは、すべてこっち持ち(^_^;))

東京からやってきた猫探偵さん、

なんとなく頼りなさそうな、若いお兄さんで、「大丈夫かなぁ、この人、勢力的に捜してくれるのかな・・」
「とにかく私がしっかりしなきゃ」と第一印象はそんな感じだった。

まず、朝一番にすることは、保健所に行って、毎日運ばれてくる猫の死体の中にリンナがいないことを、確認すること。
(何匹もの猫の死体を確認するなんて、私はとてもじゃないけどできそうになかったので、この役目は友人にやってもらいました)

真夏の炎天下の中、二人で、朝から晩までの捜索。

懸命に捜すも、1日、2日と過ぎていくー。

3日目の夜、最後の切り札のごとく、リンナのおしっこの砂をナイロン袋に入れて、穴をあけ
砂が、細く出るようにして、近所中から自分のマンションまでの道のりに砂をまいていく、という作戦に出る。

こうすることによって、自分の匂いをキャッチし、うまく行けばそれを辿って、自力で戻ってくることもあるのだという。

その日は、夕立ちで、最悪にも、雨と雷が凄まじく、

このたった今も、どれほど心細い思いをしているだろう、どれほど怖がっているだろう、と思うと、
胸がズタズタに張り裂けてしまいそうになって・・

それに、その頃には、もう見つからないかも、という絶望感も増してきて、究極のネガティブに陥ってしまい、
「あの時(4階から飛び降りた時に)いっそ死んでいた方が、よかったかも」なんて思って泣くしか出来なくなってしまった。

そして、4日目の朝、とうとう動く事ができなくなってしまった。

体力の限界がきて、同時に頭でも、何も考えられなくなり、悲しくもなく、辛くもなく、ただただ、放心状態。
ソファの上でボーッと天井を見ているだけー。

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どれくらい時間が経ったのかなー、静かな時間だけが過ぎていくー

その時、突然、チャイムの音が鳴った。

探偵さんから、「それらしき子がいたんですけど・・」という一報。

一瞬で飛び起きて、高鳴る胸を押さえながら、走っていくと、なんと、マンションから20メートルも離れていない
家と家の壁の間、20センチの隙間の壁にリンナがへばりついていた。
(ここなら一日、何度も見たって、とこに居た。昨夜のおしっこ砂作戦が効いたのか、そこまで出てきていた)

私とリンナの距離は2、3メートル、身体が入らないから、手を伸ばして、全身全霊で「リンナー 」「リンナー」と叫ぶと、
じっと私を見つめた後、リンナもまた、今まで一度も聞いたこともない声で、泣き出した。

それは、迷子になった子供が、母親の姿を見つけた途端、安心して泣き出してしまうのと一緒だった・・

探偵さんが、裏に回って、廃材をのけたりしながら、捕まえてくれて私の元まで抱きかかえて来てくれた。

再びリンナを抱いた瞬間・・あの時の感触は、何があっても、一生忘れない。

本当に夏真っ盛りの暑い日だったー

あの時の猫探偵さん、今頃どうしているのかな?

愛するリンナ・・今日から私が、リンナのママになる、って決めてから18年と10ヶ月。

久しぶりにリンナのアルバムを開いてみる。

未熟なママだったけど、、ずっとずっと側に居てくれたね。。

リンナと一緒に過ごせた日々すべてが、ママの人生の宝物だよ。リンナ。

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by hitomille | 2009-08-04 17:38 | リンナ

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by hitomille | 2009-01-28 13:31 | リンナ

名前はリンナ

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リンナがいなくなって早3ヶ月が過ぎました。

この間、不眠が続いてうつになり、心身共に辛い生活を送っていましたが、
たくさんの方の励ましと支えのおかげで、徐々に回復しつつあります。

ずっと恐れていたことが現実になって、固まってしまい、泣くことおろか、悲しむことさえ出来なかったけど・・

私にとってのリンナは、決してぶれない自分自身の存在を教えてくれた唯一の存在。

愛しいリンナ・・
今、この瞬間も彼女への愛が溢れ出してきます。

ずっとずっと一緒だからね。

傷心の私の元へ縁あってやってきた黒猫のぬいぐるみ。
可愛くて、本当にリンナにそっくり。

名前は、もちろん「リンナ」。

これからも、いつも一緒です。

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by hitomille | 2008-11-11 22:45 | リンナ

リンナの旅立ち

今朝、リンナが天国へ行きました。

ずっと、最期を看取ってあげるのが私の役目だと思いながらも
その時が来るのがとても怖くて、、
正直、逃げたくなりそうな気持ちの時もありました。

昨夜は、リンナと病院へ行き、タクシーに乗ると、もう、
寝たきりになっていたのにもかかわらず、手をバタバタさせて
いつものように窓の外を見たがっていました。
帰ってからも、大好物のヨーグルトを美味しそうに食べて
それからスヤスヤと眠りました。

その間、何度か寝返りをさせてあげ、
明け方、5時過ぎにクーラーが効きすぎて寒いかもしれないと
場所を移動させていた時にお水は飲まなかったけど、スヤスヤと
眠っていました。
そして、6時過ぎにか細い声で2回、鳴き声を聞いたけど、
「もう少し待って」と思い、起きてあげることができませんでした。

そして、次に私が起きた時には、リンナはもう既に固くなっていました。

リンナ〜ごめん〜。。

ずっと身構えてたのに、気づいた時は、息を引き取っていたなんて・・

すごく悔まれる・・

ひょっとしたら、リンナは私の為にそっとひとりで逝ったのかもしれませんね

最期まで本当に本当に親孝行な子でした。

数えきれない安らぎと幸せを与えてくれたリンナ、
かけがえのないリンナ、

わたしの可愛い子。

18年と10ヶ月、本当に本当に、長い間、ありがとう。

そして、心配してお声をかけて下さった方々にも大変感謝しています。。
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by hitomille | 2008-08-11 22:03 | リンナ

リンナと蝉

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日に日に、痩せて元気がなくなっていくリンナ。
もう、缶詰やお魚などの固形物は食べれなくなってしまいました。

トイレも失敗することが多くなり、仕方なく、おむつのお世話になることに。

痛々しいけど、どうすることも出来ずただ見守る日々。

そんな日々の最中、一匹のせみが天井に張り付いているのを発見!
 
いやだ〜、すごく大きい。

気になりながらも、殺してしまうのは忍びなく、そのうち寿命がつきるか、
と達観し、眠りについたら、真夜中に突如、

ジジジジジジーと早朝の鳴き声のごどく大音響!!

びっくりして飛び起きてみると、天井の電気周りをグルグルと円を描くように飛び回ってる。

こ、怖すぎる・・

でも、どうすることも出来ず、そのまま頭から布団をかぶっていたら、

ジジジジジジー ゴ、ゴン!!と何かにぶつかったような音、

恐る恐る除いて見ると、今さっきまで天井を飛び回っていたせみが床に仰向けに転がっている。


あ〜〜、よかった! ようやくこれで安心して眠れる。
と安堵したのもつかの間、死にきれていなかったのか、またもやジジジと小さく鳴き始めたと
思ったら、突然の大音響。だけど今度は、何か、けたたましさが、違う!

恐る恐る、起きて見てみると、なんと、リンナがせみを両手で押さえつけてる!!

リンナは大興奮していて、さっきまでのヨタヨタはどこへ行ったのか、
と思うくらいの機敏な動き。最初は、小刻みにうごくせみを両手でしっかりと押さえいた
けれど、そのうち手の中の蝉の羽をバリバリと食いちぎり始めた。

その様子の一部始終を見ていた私と娘も思わず、大絶叫。

真夜中にもかかわらず、せみの大音響と、私たちのギャーギャーで、家の中は大パニック。

そのうち、せみは、完全に動かなくなったのだけど、
まだ興奮覚めやらないリンナはそのせみをまるでサッカーボールのように
前足で弄んでいた。

しばらく遊んでいたけど、実際に食べてしまうことはなく、
そのうち、あきて、蝉の横で、眠ってしまった。

・・・それにしても、

19年近く、リンナと暮らしていて、正直、
あれ程、生き生きとしたリンナの姿を見たのは、初めてに近い気がする・・

たまに、ベランダにチュンチュンする雀を爛々とした目で追っていたことは知っていたけど。。


せみが家の中に入ってきて、大暴れして、何かにゴン、とぶつかって、気絶?してリンナの眠っていた
近くに落ちる。そして、再度、復活して。。そんなサプライズ、
絶対に神様がリンナの為に用意してくれたとしか思えない。

それにしても、動物って、ほんとにすごい。

もう既に、立って歩くこともままらない状態だというのに、
この場にきても、本来の野性的な、生き生きとした姿を見せてくれている。

寿命がすぐそこにせまっていても、恐れることも、悲しむこともない。

ただ「今、ここに生きる」ことの素晴らしさをいつも教えてくれる存在。

それにくらべ、私は、メソメソして気持ちに負けてしまいそう。。

・・ほんとに少しは見習わないと☆

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by hitomille | 2008-08-07 18:05 | リンナ

出会い

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私とリンナが出会ったのは、1989年12月13日。
とても寒い日でした。

ちょうどその1年前から一人暮らしを始めた私はなんとか物をそろえ終わると
心もとなく、寂しくなってきてしまって、文鳥を飼い始めました。
とっても可愛くて、手の中ですっぽり安心して眠ってしまう姿に本当に癒されたのだけど
悲しいかな、文鳥とはそのまま一緒に眠るわけにいかず、必ず鳥かごに戻さなければいけない。

フワッとした柔らかいものを抱いて一緒に眠りたい〜
と思うようになってしばらく・・ある子猫の写真入りのチラシがポストに入っていました。

「ペルシャ猫譲ります。1〜3万。」

・・・可愛い。。とっさに思ってしまったのだけど、、

いや、でも・・・私は猫が嫌い。 

正確には嫌いというよりは、 怖い、というのが正しいのだけど。

昔から動物に対しては、「怖い」という気持ちが先走ってなかなか自分を開けずいた
のだけど、その中でも特に、猫はこわかった。

b0152515_2142393.jpg彼らは、柔軟でよく撓る身体をもち、とても俊敏そう。
長い武器のようなツメもあるし、足音を立てず忍び寄るし、
下手に近づくとひっかかれそうな侮れない雰囲気を発していて、
遠目に見ているだけで精一杯。

私にとって猫はそういう存在。
もちろん一生、縁のないものとして、信じて疑わなかったのです。

それなのに、思わず「可愛い」って思ってしまったのは、
自分でも驚いたけど、それには理由があって、
あの苦手な独特のシルエットがフワフワの毛に包まれていて、
まるでぬいぐるみのようだったから。


いわゆるペルシャ猫の子猫は、私の典型的な猫のイメージからほど遠いものだったのです。

「これなら、私にも飼えるかも」そう思ってしまったが運の尽き、、

それでも、一人で行くには、少々勇気が足りなかったので、お友達のIちゃんについてもらって、
とりあえず、そのペルシャの子猫がいるお家にいくことに。。

子猫は、5匹。ぜんぶくっついていて、一塊になっていた。

横をうろうろするシルバーのお父さん猫と、黒猫のお母さん猫の大きさが気になってしょうがなかったけど、
でも、目の前にいる子猫は文句なく可愛い。飼い主さんの優しい雰囲気にも後押しされ、
ここまで来たら、もう後戻りできない、と腹をくくって、
その中から一番小さな子を選びました。1万〜3万。って書いたあったので、とりあえず、2万円を渡して。

それでも怖いのには変わりないから、1ちゃんにその子を抱いてもらって、家まで送ってもらいました。
(ほんとにアリガトウね〜〜)


b0152515_2144074.jpgパタンとドアを閉めて、二人きりになった部屋は、なぜか同じ部屋なのに、まったく別のものに変ってしまった感じ。

常に、動いているもの、生命を持つものがいつも自分の側にいる。
その変ってしまった空気みたいなものが、ジワ〜っと、喜びに変わり、
私に溶け込んでいく。


ただ、最初の夜だけはとてもじゃないけど、一緒に寝るどころではなく、廊下に毛布と一緒に閉め出してしまったのだけど。。

でも、そんなことをしてしまったのは最初の夜だけ。


彼女が私の一番大切な宝物になるまで、ほんとに1週間もかからなかったのだから。。

私は大槻ケンジの詩集「リンウッド・テラスの心霊フィルム」に出てくる
猫のテロリスト、リンナから名前をとって、「リンナ」と名付け(そのまま(笑)
彼女とふたりの生活を9年間、そして
私の娘が生まれてから3人(人っていっていいのか)での10年間
計18年と7ヶ月、今現在も、一緒に過ごしています。 

その間、
病気ひとつぜず(一度マンションの4階から落ちるという衝撃の事件があったのだけど)
本当に健康で、ここまできました。

飼い主の器に合わせてくれているのか、おとなしくて(でも、気は強い)
めったに鳴かない、手を煩わせることもほとんどなく、本当におりこうさんの子です。

18才までは、老化現象さえ感じることもなかったけれど、、

18才の誕生日を過ぎたあたりから、急激に毛がうすくなって、食べても痩せていくばかり。
もうペルシャ猫の面影もないくらいになりました。

それに、ここ2週間くらい前から、急に足腰が弱ってきて、ソファにさえ上がることができず、
歩くのさえきごちない。急に暑くなったせいか、食べる量が見るからに減っています。

あと、どれくらい一緒にいれるのかー。

考えては泣いて。。その繰り返し。
でも、泣きすぎて思ったのは、それは、結局、自分の為に泣いてるって。
だから、泣くのは、もっと後。

毅然と彼女の最後を看取るのが、私の役目。

私ができることは、ただ、痛みや苦しみをできる限り取り除いてくれるように、
祈り、見守るしかできないのだけど。。

 
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by hitomille | 2008-07-16 21:50 | リンナ