先日、中之島の国立美術館隣のgrafというカフェで娘とランチをした際、偶然置いていた「榊 莫山家の茶懐石のおもてなし」。 あっ、、莫山先生ーー 榊 莫山こと、、莫山先生・・何を隠そう、ワタクシの大学の先生でありました。 ・・お写真を拝見すると、当時とまったくお変わりないお姿ーでも、、 (知らなかったけど)ー昨年、84歳でお亡くなりになられたのですね 当時、私は、その存在を知らなかったが、友達から「なんだかすごく有名な人らしいよー」という話を聞いて、、 「へぇ、、」と期待と好奇心いっぱいで、初授業を向かえたのです。 ガラガラガラ〜と扉を開けて入ってきたお姿は、、想像以上にインパクトがある〜〜 髪が、、まさしくその名を現すかのように爆発してて、、着物を着こなし、一目見た瞬間から 、ただ者ものではない、圧倒的な存在感を放っていた。 よかいち」のCMで、ブレイクしてからは、各方面のテレビなどで見る機会も増えたけど(一時、笑っていいともに出てたような、) 私個人は、莫山先生には、ただの大学の先生を超えた「親近感」を勝手に抱いていて、お顔を拝見する度に妙に嬉しかった。 というのは、、 莫山先生って、在学中、ただの一度も授業らしい授業をしてくれなくて、、 授業といえば、何かの感想文とか、自身の開催されている「個展」を見に行かされたり、だとか、、で、 実際、莫山先生が教壇に立って、話すのを聞いたことがなかった。 有名な先生かなんだか知らないけどーなんて、「手抜き」な先生なんだろう、、 正直、あまり良い印象は持っていなかったのです。 そんな中ーいつものように、けだるく教室に入ってきて、教壇に立つやいなや、「何でもいいから好きなこと書いて」と一言。 それから唐突に、原稿用紙を1人一枚づつ配り始めた。 テーマも題材も何もなしー 好きなことを好きなように、、と言われると、大抵の人は、すごく戸惑ってしまいます そりゃそうよね、、物心ついた時から、規則や、ルールを守ることを教えられはするけど、「自由にやりなさい」とはあまり言われないし、 それぞれの授業があって、題材やテーマが決まっているし、教科書だってあるー (私の場合は、学校の教科書に載ってる文や、指定図書で、(当時は)本嫌いにさせられたようなものだわー) 学校の先生って、つくづく、素人の集まりだなぁ、、って思う。。 勉強」嫌いにさせてしまう先生がほとんどだし、例え能力があっても、学校のシステム上、1年にやらなきゃいけないことも決まってるし、 30年経って、少しは、改善されているかと思いきや、、まったく変わってなかったよ、、 (学校というものに、期待するのが、最初から間違ってるんだけど・・) 話が逸れちゃったけど、白紙の原稿用紙に、何でもいいから好きなことを書きなさいと言われ、皆、思いの外、困惑してたように思う。。 私も同じように、困惑はしたけどー 幸い、小学校低学年から日記をつけていることもあってか、何かを記録したり、 自分の思いを綴ることには、慣れていたので、とりあえず、「詩」を書いてみた。 その時分に、写真に残すために着た「着物」の柄や、その時の気持ちを・・原稿用紙ぴったり1枚の簡単な詩。 一旦提出して、それを次の週に「10点満点」の数字で採点され、返却された。 先に返してもらった人達が、ワイワイと集まりだし、「めっちゃ悪いーー!」という声が聞こえてきたので、 見せてもらうと、ほとんどの人が「1」とか「2」、よくて、「3」くらいで、あまりの「辛口採点」にびっくりしていたら、 名前を呼ばれた、、いざ自分のを確認すると、なんと「8」。 かなりの高得点に、びっくり! (だって、他のテストは、ほとんど追試だったからー(恥) 皆が、「すっごーい!!」って集まってきて、しばし誇らしげな気分に浸っていたっけー それをきっかけに、私の莫山先生に対する「見方」は一瞬で、変わったー(単純〜〜(笑) やはり「自分を認めてくれた人」に対しては、自分もまた、その相手に同じ気持ちになりますねー。 言葉をかわすこともなかったけれど、、それ以来、ずっとその気持ちは変わらず、、 通りすがりに個展を開催されておられる時には、必ず、足を止めて、作品を拝見していましたが、、 「一筆」2、300百万のお値段がついた「書」が、、毎回ほとんど売約済みなのが、とにかくびっくりで(笑) 、、莫山先生、儲けすぎや〜〜〜〜!! (しずしずと作品を見ながら、心ん中では、そう叫んでました) それは、さておき、こちらの本、、ランチを食べながら、、パラパラめくると、思わず、その内容の濃さと美しさに 心を奪われ、、これ、欲しいーーー!! 帰ってすぐに、アマゾンにて注文しました。 50歳を過ぎて、故郷の伊賀に戻られ、、その敷地内に山も川もあるようなお屋敷で過ごされいたようですが、、 四季折々の木々や草花に囲まれた、その格式と気品に溢れる生活は、一般とはまったく一線を画した別世界そのもの。 月々の行事の為の懐石とお菓子が掲載されていますが、、ーあまりの美しさにただただ感動ー。 普段、フランス菓子を作っていてなんですが、、 こういうのを一旦拝見すると、ヨーロッパといえども日本の文化には足下にも及ばないと思います。 空間というものの美しさを、これほどまでに感じさせてくれたのは、初めて、、すっかり魅了されてしまいました。 (写真を眺めているだけで、自分の呼吸が変わっていくのがわかる程!) 普段、「本物」を見ていないから、その良さがわからないとも言えますねー ・・・いまいち理解できなかった莫山先生の書ですが、、この本でそのお姿を垣間見させていただくと、 すべては相対するものは=(イコール)だということが本当の意味で理解出来ます。 この本は、我が家の「家宝」にしたいと思います。。 莫山先生、、ありがとうございますー
by hitomille
| 2011-09-18 11:22
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